シミの消し方マニュアル

ピルを服用中に顔にシミが!これって副作用?

ピル服用中に出来やすいシミ、それは肝斑かもしれません

 

シミと言えば、30代後半からボチボチ気になり始め、40代になると多くの女性が抱える肌の悩みですが、まだシミで悩むような年齢に当てはまらない人でも、ピルを服用しているとシミが出来やすいことがあります。

 

ピルの服用で出てくるシミを肝斑と言います。

 

肝斑とは、以下のような特徴を持つシミです。

 

  • シミが頬骨から下にかけて左右対称に広い範囲にくすんで広がっている
  • 頬骨に沿って左右対称に筆で絵の具を塗ったような感じでシミが広がっている
  • 目尻の下に小さなシミが左右対称に存在する
  • ハッキリとした輪郭を持たず、ボヤ〜ッとシミが広がっている

 

出る場所に多少の違いはありますが、ココからココまでがシミ!とはっきり区別できるような区切りがなく、体的にぼやけた感じで左右対称に出てくるのが肝斑の特徴です。

 

 

「出血量が多く生理痛がひどいため、婦人科に定期的に通院してピルを服用中の28歳の女性。ここ最近、両目の下や両側の頬に三日月のような形のシミがうっすらと出てきた。まだ20代でシミが出てくるような年齢ではないのになぜ・・・。」

 

「子宮内膜症の治療で婦人科で低用量ピルを処方されている32歳の女性。美容には結構気を使っていて、冬でもUV対策に気を付けてきたにも関わらず、うっすらボヤ〜ッと両側の頬骨の辺りにシミらしき肌のくすみがあるのはなぜ・・・。」

 

上記の2例で共通して言えるのは、ピルを服用中だということ。低用量ピルを服用している人が全員に肝斑が現れるわけではありませんが、低用量ピルを飲んでいることで肝斑が出る人がいるのも明らかです。

 

では、なぜピルを服用すると顔にシミが出来るのでしょうか。

 

 

 

ピル服用でなぜシミが増えるの?

 

低用量ピルとは経口避妊薬のことで、女性ホルモンのエストロゲンとプロゲステロンによく似たホルモンが配合されています。

 

これを服用すると、2つの類似ホルモンの働きによって、プロゲステロンの血中濃度が高くなり、妊娠したと錯覚を起こします。妊娠中だと認識すれば、排卵を起こす必要がなくなるため、妊娠を避けたい時や、生理周期を遅らせたい時などに低用量ピルが用いられるのはこの所以です。

 

意図的に妊娠中の女性ホルモンバランスを作り出すので、プロゲステロンの血中濃度が常に維持されます。プロゲステロンはシミやくすみの元であるメラニン色素の生みの親、メラノサイト細胞を常に刺激するため、メラニン色素がどんどん生成されていきます。

 

また、美肌を保つために必要なエストロゲンの量が抑えられるので、どんどん作られるメラニン色素を抑え込む力が弱まるため、ピル服用中はシミができやすい環境を作り出している、ということになります。

 

ピルは女性ホルモンバランスを変える為に服用し、その結果シミが出来るということは、ピルそのものが肝斑の原因になっているのではなく、ピルは肝斑が出来るきっかけに繋がる要素に過ぎません。

 

肝斑は女性ホルモンのバランスによって発症するシミなのです。

 

 

こういう人は肝斑になりやすい

 

女性ホルモンのバランスが崩れると様々な症状が女性の体には起こります。

 

  • 酷い生理痛
  • 過多月経による貧血
  • 生理不順
  • 子宮内膜症
  • 子宮筋腫
  • 月経前症候群(PMS)
  • 自律神経失調症
  • 不妊症
  • 更年期障害
  • 肌トラブル

 

このような生理に関する悩みや、婦人科系特有の悩みを改善するために、低用量ピルはしばしば処方されます。

 

本来なら、肝斑は女性ホルモンのバランスが乱れやすい30代〜40代に多く見られるシミですが、低用量ピルが上記の症状を軽減してくれるため、シミ年齢からすると若い20代であっても、ピルを服用していれば肝斑の症状が顔に現れることがあるのです。

 

昔はピルと聞けば、ホルモン療法で副作用がきついというイメージが強く、婦人科で勧められても敬遠されがちな薬でした。

 

しかし、今はホルモンの量が少ない低用量ピルが主流で、副作用もほとんど気にしなくても良い安全性の高いものがメインで処方されています。

 

したがって、ピルを服用する人口が増え、昔に比べたら若い世代での肝斑の人口も増えていると思われます。

 

 

ピルの服用で出来た肝斑のシミ、どうやって消す?

 

肝斑の治療は、主にトラネキサム酸・ビタミンCの内服と、ハイドロキノン外用薬の3本柱が主流になります。

 

肝斑は、ホルモンバランスが乱れることによって、プロゲステロンがメラノサイト細胞に、「メラニン色素を作りなさい」という指令を出し、メラニン色素がどんどん生産されて蓄積することで症状が現れます。

 

ビタミンCは、メラノサイト細胞に働きかけて、メラニン色素がたくさん作られないように阻止する作用があり、トラネキサム酸は、プロゲステロンがメラノサイト細胞に出す指示を丸ごとブロックする作用があります。

 

トラネキサム酸はビタミンCなどの美白成分よりも、シミが出来る最初のプロセスで阻害活動をしてくれるので、消えにくいと言われる肝斑にとても有効に働きます。

 

ただし、注意すべき点があります。それは、トラネキサム酸は血栓症リスクのある人が長期服用すると、深刻な副作用が起きるかもしれないということです。肝斑は治りにくいシミなので、トラネキサム酸を数か月単位で長期服用しなければいけません。

 

したがって、以下の人はトラネキサム酸の長期服用には注意が必要です。

 

  • 血栓症(脳血栓や心筋梗塞など)のある人
  • 過去に血栓症の既往歴のある人
  • 家族に血栓症の既往歴がある人
  • ピルを服用中の人
  • 妊娠中の人(胎児への影響)
  • 授乳中の人(母乳への影響)
  • 55歳以上の人(血栓症リスクが高くなる年齢)
  • 腎臓病の人

 

注意が必要な人の中に、ピルを服用中の人があります。ピルにも長期服用で血栓症となるリスクが潜んでいます。したがって、ピルを現在服用中の人はトラネキサム酸の内服が出来ません。

 

トラネキサム酸で肝斑の治療をしたい場合は、ピルの服用をやめる必要がありますが、ピルの服用をやめても良い状態か否かにもよります。

 

ピルの服用を辞めてもいい位、婦人科系の悩みが安定していない場合は、ビタミンCの内服でシミができるのを体の内側から予防しながら、美白化粧品で体の外側からも同時にケアすることをお勧めします。

 

 

ピル服用中はシミ対策を怠らないで

 

紫外線対策に忘れずに

 

ピル服用中に限ったことではありませんが、肝斑が出ている部分に紫外線が当たらないようにしましょう。肝斑は紫外線とは無関係で現れますが、肝斑が現れている部分にはメラノサイト細胞があるということ。

 

そこに紫外線の外的刺激が加われば、メラノサイト細胞が活性化してメラニン色素が作り出され、今ある肝斑のシミを濃くさせて消えにくくなる恐れがあります。

 

また、紫外線を浴び続けることによって、肝斑とは違う紫外線が直接の原因となるシミ(老人性色素斑など)が出現し、肝斑とダブルでシミを抱えることになることもあります。

 

そうならない為に、UV効果のある化粧下地や日焼け止めで紫外線をブロックしたり、肌の露出を避けたり帽子をかぶるなどして、無防備に紫外線を浴びることがないようにしましょう。

 

 

顔をこするような肌ケアをやめる

 

美白化粧品をシミの部分にしっかり浸透させようと必要以上の力で塗り込んだり、毎日拭き取り用のメイク落としで化粧を落としていたり、肝斑が出来ている部分に摩擦力がかからないように気を付けましょう。

 

肌はとても敏感です。ほんの少しの摩擦でも微少の炎症が肌では起きています。その摩擦が日頃の習慣で日常的に繰り返されると、摩擦による炎症を食い止めようと活性酸素が活発化し、その結果、メラノサイト細胞も活発化してメラニン色素が大量に発生します。

 

肌は摩擦力がかからないよう、優しく優しくケアするようにしましょう。

 

 

睡眠不足に気を付ける

 

肝斑は女性ホルモンのバランスが乱れることが原因と言われているので、睡眠不足には気を付けましょう。

 

就寝してから3時間の間に色々なホルモンが分泌されています。特に重要なのが成長ホルモンで、傷んだ肌を修復したり、シミやシワを予防する働きがあるので、しっかり睡眠をとって、成長ホルモンが不足しないようにしましょう。